Salesforceを続けると5年でいくらかかるか

Salesforceの公表ライセンス価格をもとに、企業規模別の5年間の費用試算を紹介します。ライセンス費以外に発生しやすいコストや、費用対効果を検討する際の視点もあわせて解説します。

2026年08月21日
Salesforceを続けると5年でいくらかかるか

「今のSalesforceの契約を続けた場合、5年後には総額でいくらになるのか」——この問いに即答できる企業は、実はそれほど多くありません。月々のライセンス費用は把握していても、年間・複数年での累計額として捉えたことがないケースが多いためです。

しかし、システムの費用対効果を正しく判断するには、単月の請求額ではなく、複数年にわたる総額で比較することが欠かせません。特に契約更新のタイミングでは、「このまま継続する」という選択肢と「乗り換える」という選択肢を、同じ土俵で比較する必要があります。

この記事では、Salesforceの公表ライセンス価格をもとに、企業規模別の5年間のコスト試算を紹介し、費用対効果を検討する際に押さえておきたい視点を解説します。

この記事の要点(30秒でわかるまとめ)

  • **Salesforce Enterprise版は21,000円/ユーザー/月(税抜・年間契約、2026年時点公表価格)**が試算のベースになる
  • 利用人数が多いほど、5年間の総額は数千万円規模に達するケースがある
  • ライセンス費以外に、カスタマイズ保守や教育コストなどの隠れコストも別途発生する
  • 試算はあくまで公表価格に基づくものであり、実際の契約条件による変動を考慮する必要がある

試算の前提

結論:以下の試算は、Salesforce Enterprise版の2026年時点の公表価格(21,000円/ユーザー/月、税抜・年間契約)をもとにした概算であり、実際の契約内容によって金額は変動します。

割引契約や他エディションの利用、為替・価格改定などによって実際の費用は変わるため、あくまで目安として捉えてください。正確な費用は契約内容の確認が必要です。

企業規模別の5年コスト試算

結論:利用人数が増えるほど、ユーザー課金型の費用構造では総額が線形に膨らんでいきます。

利用人数年間費用(概算)5年総額(概算)
10名約252万円約1,260万円
30名約756万円約3,780万円
50名約1,260万円約6,300万円
100名約2,520万円約1億2,600万円

利用人数が増えるにつれて、5年間の総額は数千万円から億単位に達することが分かります。組織の成長に伴って利用人数が増える場合、この試算はさらに上振れする可能性があります。

ユーザー課金型の費用構造が持つ特性

結論:ユーザー課金型のSaaSは、組織の成長に比例して費用が増加し続けるという構造的な特性を持っています。

事業拡大やチーム増員のたびにライセンス費用が積み上がっていくため、成長企業ほど中長期的な費用負担が重くなりやすい傾向があります。この費用構造は、組織規模が変わりにくい業務であればコントロールしやすい一方、営業組織の拡大が続く企業にとっては、費用の伸びを見込んだ予算計画が必要になります。

ライセンス費以外にかかるコストも考慮する

結論:上記の試算はライセンス費のみであり、実際の総コストにはカスタマイズ保守・教育・二重管理対応などが別途加算されます。

Salesforceの「隠れコスト」で解説したように、カスタマイズの保守にかかる人件費、現場への教育コスト、二重管理の解消にかかる工数などは、ライセンス費の試算には含まれていません。実際の総コストを把握するには、これらを含めた形での比較が望ましいといえます。

他の選択肢と比較する視点

結論:スクラッチ開発など自社資産となるシステムへの投資は、初期費用はかかるものの、長期的には総コストを抑えられる可能性があります。

ユーザー課金型のSaaSは使い続ける限り費用が発生し続けますが、自社の業務に合わせたシステムを開発し自社の資産として保有する場合、開発費用は初期に集中し、その後は保守運用費のみで継続できます。AI駆動開発を活用した場合、開発費が相場の約1/2程度に収まるケースもあり、5年総額で比較すると投資回収の見込みが立てやすくなることもあります。乗り換えを検討する際の判断基準については、脱Salesforce完全ガイドもあわせてご覧ください。

よくある質問(FAQ)

Q. この試算はどんな企業にも当てはまりますか? A. あくまで公表価格に基づく概算であり、割引契約やエディションの違いによって実際の金額は変動します。正確な費用は自社の契約内容をご確認ください。

Q. 利用人数が今後増える予定がある場合、どう考えればよいですか? A. 将来の増員を見込んだ上で複数年の総額を試算し、他の選択肢と比較しておくことをおすすめします。ユーザー課金型は増員のたびに費用が積み上がる構造である点に留意が必要です。

Q. スクラッチ開発に切り替えた場合の投資回収期間はどれくらいですか? A. 業務範囲や開発規模によって異なります。AI駆動開発による費用圧縮を活用することで、比較的短期間での投資回収が見込めるケースもあります。

Q. 補助金を使えば初期費用を抑えられますか? A. AI開発向けの補助金では開発費の最大80%、最大1億円が補助される制度もありますが、申請の可否は個別の審査によるため、専門家や事務局への確認をおすすめします。

まとめ

Salesforceの費用は、公表価格ベースで試算するだけでも、利用人数によっては5年間で数千万円規模に達します。さらにライセンス費以外の隠れコストも考慮すると、実際の総コストはより大きくなる可能性があります。継続と乗り換えを比較する際は、単月の費用感ではなく、複数年の総額で判断することが重要です。

Irwin&co株式会社は、こうした費用試算をもとにしたシステム移行の検討から、実際の開発・導入までを一気通貫で支援しています。フォーム回答から約3分で見積書・要件定義書を即日自動生成する仕組みも用意しており、初回商談では実際に動くデモをご覧いただけます。自社の費用試算を行いたい場合は、お問い合わせからご相談ください。

執筆者プロフィール

アーウィン 海(Irwin&co株式会社 代表取締役)

アーウィン 海Irwin&co株式会社 代表取締役

生成AIを活用したシステム開発・コンサルティング・研修サービスを提供するIrwin&co株式会社を創業し、IT専任者のいない中小企業を中心に、業務システムの構築とSaaSからの移行を支援している。「SaaSの標準機能に業務を合わせるのではなく、業務に合わせたシステムを自社の資産として持つ」という考え方のもと、不動産をはじめとする業界で、生成AIを前提とした業務システムの設計・開発を数多く手がける。

お問い合わせ

生成AI活用やAI開発について、お気軽にご相談ください。

まずは相談する