Salesforceが「使いにくい」と言われる7つの理由

現場から「使いにくい」という声が上がりやすいSalesforceの代表的な7つの原因を整理し、運用改善・カスタマイズ見直し・システム刷新という3つの現実的な対処法を解説します。

2026年08月20日
Salesforceが「使いにくい」と言われる7つの理由

「高い費用を払って導入したのに、現場から『使いにくい』という声ばかり上がってくる」——Salesforceを導入した企業の情報システム部門や営業責任者から、こうした相談が寄せられることが少なくありません。入力項目が多い、画面が複雑、欲しい情報がすぐに出てこない。こうした声が積み重なると、せっかく導入したCRM/SFAが現場で使われなくなり、Excelやスプレッドシートでの管理に戻ってしまうケースも見られます。

Salesforceは世界的に導入実績のあるプラットフォームであり、その汎用性・拡張性の高さは大きな強みです。一方で、その汎用性の高さゆえに「自社の業務にぴったり合わせる」ためには相応の設計・カスタマイズの工数が必要になり、そこが不十分だと現場にとっての使いにくさとして表面化しやすい、という構造的な事情もあります。

この記事では、現場でよく聞かれる「使いにくい」の具体的な中身を7つの観点で整理し、それぞれに対してどのような対処法が考えられるかを解説します。自社の状況がどのパターンに近いかを確認しながら読み進めてみてください。

この記事の要点(30秒でわかるまとめ)

  • 「使いにくい」の正体は多くの場合、標準機能と現場業務のギャップにある
  • 入力項目の多さ・画面の複雑さ・検索性の低さが代表的な不満点として挙がりやすい
  • 対処法は大きく「運用ルールの見直し」「カスタマイズの追加」「システムの再設計」の3段階
  • 現場の業務フローに合わせて作り直すスクラッチ開発という選択肢も、費用対効果次第で現実的になってきている

理由1〜3:入力・画面・検索にまつわる不満

結論:現場の不満の多くは「入力の手間」「画面の複雑さ」「欲しい情報にたどり着けない検索性」の3点に集約されます。

Salesforceは標準で非常に多くの項目・機能を備えていますが、それがそのまま「自社に必要な項目だけが見やすく並んでいる」状態を意味するわけではありません。業種・業務フローに関わらず幅広い企業で使えるように設計されているため、初期状態のままでは次のような不満が出やすくなります。

  • 入力項目が多すぎる:自社の業務では使わない項目まで画面に表示され、必須入力が増えて営業担当者の負担になる
  • 画面が複雑:関連情報を確認するために複数タブ・複数オブジェクトを行き来する必要があり、直感的に操作しづらい
  • 検索性が低い:欲しい商談・顧客情報がすぐに出てこず、結局Excelで別管理してしまう

これらは多くの場合、Salesforceそのものの限界というより、自社の業務に合わせた画面設計・項目整理が追いついていないことが原因です。標準機能をそのまま使うのではなく、自社の営業プロセスに合わせて「本当に必要な項目・画面」に絞り込む設計が必要になります。

理由4〜5:文字数制限・表示の見切れ

結論:Salesforceの一部項目には文字数上限があり、長文の商談メモや詳細な物件情報などを扱う業種では表示が見切れる問題が起こりやすくなります。

不動産業のように物件情報や商談経緯を詳細に記録したい業種、あるいは製造業のように仕様書レベルの情報を扱う業種では、標準の項目設定のままだと「入力したい内容が入りきらない」「一覧画面で文字が見切れて内容が読めない」といった声が上がりやすくなります。これは項目タイプの選定やレイアウト設計で緩和できる部分もありますが、根本的に情報量が多い業務の場合、標準的なCRMの枠組み自体が窮屈に感じられることもあります。

理由6:現場が本当に欲しい機能が「ない」

結論:「あと一歩」の機能不足が積み重なると、現場は正規のシステムを使わなくなります。

例えば「会議メモから自動で活動記録を作ってほしい」「見積書をボタン一つで出したい」といった、現場の生産性に直結する機能は、Salesforce標準機能だけでは実現しづらいことがあります。近年はAIを組み込んだ自動入力・自動生成の仕組みを外部開発で追加する動きも広がっており、こうした機能をAI受託開発で作り込むことで、標準機能の物足りなさを補うアプローチも現実的な選択肢になっています。

理由7:「誰のためのシステムか」が曖昧になっている

結論:管理側の都合で項目・レポートが増え続けると、現場にとって使う理由のないシステムになります。

導入後、経営管理側の要望で入力項目やレポート機能が追加され続けた結果、「入力の手間ばかり増えて、現場にとってのメリットが見えない」状態に陥っているケースもよく見られます。これは技術的な問題というより、システムの目的設定・優先順位づけの問題です。

対処法:3段階で考える

結論:まずは運用改善、それで足りなければカスタマイズ追加、それでも解決しない場合はシステムの再設計を検討する、という順番で考えるのが現実的です。

段階内容向いているケース
1. 運用ルールの見直し入力項目の絞り込み、画面レイアウトの整理、権限設定の見直し費用をかけずに改善したい場合
2. カスタマイズの追加AI自動入力・自動生成などのアドオン開発特定の業務だけがネックになっている場合
3. システムの再設計自社の業務フローに合わせたスクラッチ開発への移行カスタマイズの限界を感じている場合

Irwin&co株式会社では、初回の商談時点で実際に動くデモをお見せしながら、自社に本当に必要な機能・画面を一緒に整理するところから支援しています。まずは現状のどこに課題があるのかを可視化したいという場合は、開発事例からご相談いただけます。乗り換え先の選択肢まで含めて検討したい場合は、Salesforceからの乗り換えでおすすめの開発会社7選と選び方もあわせてご覧ください。

よくある質問(FAQ)

Q. 使いにくいと感じたら、すぐに乗り換えを検討すべきですか? A. いいえ、まずは運用ルールや画面設計の見直しで改善できるケースも多くあります。カスタマイズを重ねても解決しない「構造的な限界」を感じ始めた段階で、乗り換え・再設計の検討に進むのが現実的です。

Q. カスタマイズを重ねすぎると、どんな問題が起きますか? A. カスタマイズが積み重なるほど保守が複雑になり、バージョンアップ時の影響範囲が読みにくくなる、という相談が寄せられることがあります。カスタマイズの見直しも定期的に行うことをおすすめします。

Q. 現場の不満を可視化する良い方法はありますか? A. 現場担当者へのヒアリングに加え、実際の入力ログや利用率を確認することで、「どの機能が使われていないか」が見えやすくなります。

Q. システムを作り直す場合、費用はどれくらいかかりますか? A. 業務範囲や機能の複雑さによって大きく異なります。Irwin&co株式会社では、AI駆動開発により開発費が相場の約1/2程度で収まるケースが多く、フォーム回答から約3分で概算見積もりを即日自動生成する仕組みも用意しています。

まとめ

Salesforceが「使いにくい」と言われる背景には、入力項目の多さ、画面の複雑さ、検索性の低さ、文字数制限、機能不足、目的の曖昧化といった複数の要因が絡み合っています。多くは運用改善やカスタマイズで対応できますが、それでも限界を感じる場合は、自社の業務フローに合わせて設計し直すという選択肢も検討に値します。

Irwin&co株式会社は生成AI特化の受託開発・コンサルティングを行っており、案件継続率95%という実績のもと、費用体系は開発費と保守運用費のみでアカウント数に依存しない設計を採用しています。現場の「使いにくさ」を根本から見直したいという場合は、お気軽にお問い合わせください。

執筆者プロフィール

アーウィン 海(Irwin&co株式会社 代表取締役)

アーウィン 海Irwin&co株式会社 代表取締役

生成AIを活用したシステム開発・コンサルティング・研修サービスを提供するIrwin&co株式会社を創業し、IT専任者のいない中小企業を中心に、業務システムの構築とSaaSからの移行を支援している。「SaaSの標準機能に業務を合わせるのではなく、業務に合わせたシステムを自社の資産として持つ」という考え方のもと、不動産をはじめとする業界で、生成AIを前提とした業務システムの設計・開発を数多く手がける。

お問い合わせ

生成AI活用やAI開発について、お気軽にご相談ください。

まずは相談する