TTCフーズ株式会社様 システム開発事例
見積作成業務における手作業の転記・担当者依存の計算・承認運用の非効率を解消し、見積作成の品質・速度・再現性を向上させることを目的とした「見積作成支援システム(AI OCR連携・計算・承認ワークフロー)」を開発・実装しました。

食品・調味料を中心とした輸出入を手がけるTTCフーズ株式会社様に対し、見積書のOCR読取からSEA/AIR/COURIER別の計算ロジック、複数商品・複数価格帯・按分対応、承認通知までを一連の業務としてシステム上で完結できる環境を構築しました。
取引先からの数字を目視で自社エクセルに転記し、電卓で運賃や保険料を算出していた業務を、AIによる自動抽出と固定化された計算ロジックへ。属人化していた数値計算の負担を軽減し、営業担当者が本来の営業活動に集中できる体制づくりを目指した事例をご紹介します。
プロジェクト概要
- クライアント: TTCフーズ株式会社様
- 開発内容: AIを活用した、見積作成支援システム(OCR連携・計算・承認ワークフロー)の開発・提供
- 主な機能:
- 見積書(PDF/JPG/PNG)のAI OCR読取・項目自動抽出と差分補正
- SEA/AIR/COURIER別・通貨別の計算ロジックの固定実行
- 複数商品・複数価格帯・共通原価按分の明細管理と自動合算
- 見積書・コスト計算書のPDF/Excel出力
- 申請・差戻し・承認の承認ワークフローと通知(履歴のDB一元管理)
- 案件ごとの利益率や売上・利益を可視化する経営管理機能
プロジェクトの背景:時間外労働の削減と、属人化からの脱却
── 今回のシステム開発を依頼された背景についてお聞かせください。
TTCフーズ株式会社:最も大きな課題は、時間外労働の削減でした。これまでは、取引先からFAX等でいただいた数字を自社のエクセルに転記し、電卓で叩いて保険料や運賃を算出する。さらに紙に出したものを別の担当者に回して検証をもらう、という流れで、ここに非常に時間がかかっていました。
業務に慣れていない新人や、外国籍のスタッフだと転記ミスや計算間違いも起こります。やり取りを重ねるうちに一往復では終わらず、それが夜の残業につながっていました。
加えて、調味料のように小さなアマウントの取引、たとえば100キロで利益が1万円といった案件が非常に多いのが当社の特徴です。機械と違って件数が多くなる。それでも新規のお客様にはきちんとお出ししなければなりませんし、出す以上はいい加減なものは出せませんから、検証も丁寧にやらなければなりません。
ただ、検証は同じ担当者に集中してしまう。間違いを何度も指摘するうちに雰囲気も悪くなる。営業に特化したメンバーには、失敗を恐れず思い切り営業をしてきてほしい。だからこそ、数字の部分はある程度システマティックにガードしよう、営業の時間を捻出しようと考えたのが出発点です。

具体的な課題:「商社のポリシー」と「働きやすさ」の両立
── システム化にあたって、特に重視された点はどこでしょうか。
TTCフーズ株式会社:当社は60年やってきた真面目な会社で、「商社たるもの、金の計算ができない人間ではいけない」というポリシーがあります。これはどの会社でも同じだと思いますが、問題は「どこまでそれを貫くか」という程度の話です。
その方針を厳格に貫きすぎると、人が詰まってしまって辞めてしまう。実際にそういうことも起きました。そこで、ストレスなく働ける環境を整えるために、ちょうどAIという時代の流れも後押しとなり、システム化に踏み切りました。
一方で、計算能力という知性そのものが劣化してしまっては本末転倒です。そこで社内には抜き打ちの計算テスト制度を設け、合格しなければ昇格はなし、というルールでバランスを取っています。仕組みに頼りきるのではなく、人の力も保ちながら、業務の負担だけを軽くする。そのバランスを大切にしました。

開発の裏側:非構造化データの読取と、計算ロジックの再現
── システム実装において、特に注力された点はどこでしょうか。
Irwin&co:大きく分けて「OCRによる正確な抽出」と「計算ロジックの再現性」の二つに注力しました。
見積書やインボイスは、レイアウトや項目の位置が取引先ごとに異なる非構造化データの塊です。そこからBUYER・MAKER・PRODUCT・物流費用・荷姿(縦横高さ・重量・数量)といった主要項目をAIが正しく読み取り、人手による補正は差分のみで済むように設計しました。未確定の項目には警告を出し、見落としを防いでいます。
もう一つが、これまで担当者の経験と手計算に依存していた計算ロジックの固定化です。SEA/AIR/COURIERという輸送モードごと、さらに通貨ごとにロジックを分け、容積重量や運賃適用重量、FOB価格、為替、保険、共通原価の按分、端数調整までをシステムが一貫して実行します。誰が操作しても同じ根拠で同じ結果が出る、その再現性が現場の安心につながると考えました。
パートナー選定の決め手:「具体的なAI活用」と「誠実さ」
── なぜIrwin&coを開発ベンダーとして採択していただけたのでしょうか。
TTCフーズ株式会社:他社さんとも比較しました。価格面では同程度の開発費用を提示してくださる会社もありましたが、その会社は自社では開発を行わず、開発自体は外注に出し、スムーズな取り次ぎはします、というスタンスでした。もう一社はかなり高額な金額を提示されていました。
その点Irwin&coさんは、AIの使い方も具体的に理解した上で、こちらのニーズに沿ってパターン化し、精度の高いものを作るという話をきちんと詰めてくださった。迅速にデモを見せていただけたことも判断材料になりました。
何より、誠実に正面から向き合ってくださる姿勢が決め手でした。物事に正面から向き合ってくれるというのは、長く付き合っていく上でどうしても必要なことです。間違いがあればそれを認め、リカバリーしようとしてくれる。そういう姿勢があったからこそ、今後も良い関係を続けていけると感じました。

今後の展望:日々の業務に溶け込むAI活用へ
── 今後はこのシステムをどのように発展させていきたいですか。
TTCフーズ株式会社:まずは、案件ごとの利益率や、通期での売上・利益が見渡せる経営管理の面を、より活用していきたいと考えています。仕訳のパターンをAIに覚えてもらうような形で、業務に取り入れていくこともイメージしています。
加えて、業務用の大掛かりなシステムだけでなく、Claudeのようなツールを使い、日々の業務の中でAIを活用して効率化できるものがないか、ということも積極的に検討していきたいですね。
Irwin&coさんはデリバリーの最中も、若いながらに真摯に取り組んでくださっている。今後もこうした対話を重ねながら、業務改善を進めていければと考えています。

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